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【衝撃】日本の収入格差、過去最高の水準に ジニ係数0.4を超える

  • 日本の収入格差のジニ係数が過去最高の水準になった。
  • ジニ係数が0.4を超えると収入の偏りが大きいと言われる。
  • 2020年の日本のデータでは、最も高い階層の人々が全体の28.3%の年収を占めている。
  • 下半分の人々の収入の合計は、最も高い階層の一つの人々の収入よりも少ない。
  • 日本の収入ジニ係数は0.4414であり、労働者の収入格差が大きいことを示している。

日本の労働者の収入格差は、今やアメリカよりも大きい

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<日本の収入ジニ係数は、一般的に偏りが大きいとされる値0.4を超え、労働者の収入格差がさらに拡大したことを示している> 世帯の所得格差を示すジニ係数が、2021年では過去最高の水準になったという。ジニ係数とは、国内の富の配分がどれほど偏っているかを数値化したものだ。「人口の上では〇%しかいない富裕層が,国内の富の△%を占有している」という現実が、0.0から1.0までの数値で表される。 興味が持たれるのは、国による違いだ。国際労働機関(ILO)の統計から、有業者の階層別(年収10分位)の収入内訳を国別に知ることができる。2020年の日本のデータを見ると、最も高い階層(第10階層)の人たちが得た年収が、全有業者の年収合算の28.3%を占めている。有業者全体の10%でしかない高所得層が、国内の稼ぎ全体の3割近くをせしめている、ということだ。 <表1>は、10の階層の人数と年収の内訳を示したものだ。 10分位階層なので人数は10%ずつ均等になっているが、年収は違う。最も高い階層(D10)が得た収入が全体の28.3%占める一方で、D1~D5の階層の割合は17.8%でしかない。下半分の人たちの収入合算は、最も高い1つの階層の人たちよりも少ない。少なからぬ偏りといえる。 ちなみにアフリカのウガンダでは、D10の収入割合は77.1%にもなる。有業者の1割でしかない最上位層が、稼ぎ全体の8割近くを占有している。にわかに信じ難いが、こういう国もある。 10の階層の人数と収入の分布のズレは、右欄の累積相対度数をグラフにすることで可視化される。横軸に人数、縦軸に収入を取った座標上にD1~D10の階層のドットを配置し線でつないだものだ。この曲線をローレンツ曲線という。 <表1>の累積相対度数をもとに、2020年の日本の収入ローレンツ曲線を描くと<図1>のようになる。 人数と収入の分布のズレの大きさは、曲線の底の深さ、すなわち色付きの部分の面積で示される。ジニ係数とは、この面積を2倍したものだ。分布のズレが全くない完全平等の場合、曲線は対角線と重なるのでジニ係数は0となる。逆に極限の不平等状態の場合、色付きの面積は四角形の半分となるので、ジニ係数は0.5を2倍して1.0となる。 ジニ係数が0.0~1.0の範囲となるのはこういうことで、各国の現実はこの両端の間に位置している。上図から日本の収入ジニ係数を出すと0.4414となる。一般にジニ係数は0.4を超えると偏りが大きいと言われるので、日本の労働者の収入格差は常軌を逸して大きい、とうことになる。参考までにウガンダの曲線(茶色)も添えたが、この国では曲線の底が深くジニ係数は0.8221にもなる。 ===== このやり方で186の国のジニ係数を算出した。<図2>は、結果を度数分布の形に整理したものだ。 186カ国のジニ係数は、0.2074(スロバキア)から0.8598(ニジェール)までの値をとっている。傾向としては東欧や北欧の諸国で低く、アフリカの諸国では高い。後者では、一部の富裕層が土地や生産手段を寡占しているためだろう。 日本のジニ係数は0.4414で、186カ国の中では真ん中の少し下という位置だ。なお主要国のジニ係数は、韓国が0.4309、アメリカが0.4185、イギリスが0.4073、ドイツが0.3880、フランスが0.3636、スウェーデンが0.3002となっていて、これらの中では日本が最も高い。最近では、日本の労働者の収入格差はアメリカより大きくなっている。 収入の少ない高齢の労働者が増えていることもあるが、どの年齢層でも非正規雇用が増えていて、富める者と貧しい者の格差が広がっているのは確かだろう。 税金や社会保険料を引いた手取りのデータだと、各国のジニ係数はまた違ったものになるかもしれない。しかし近年の日本の税収をみると、所得税が減り消費税が増えている。税収に占める割合は、1990年度では所得税が43.3%、消費税が7.7%だったが、2023年度は順に30.3%、33.7%と逆転している(財務省統計)。収入格差の是正の観点から税金には「累進性」を持たせ、再分配の機能を強化するべきだ。 <資料:ILOSTAT explorer> ===== 【関連記事】 この30年で大きく減少した40代男性の年収額 この四半世紀でほぼ倍増した若年世代の税負担率
ソース:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/08/post-102520.php
  1. 記事は、日本の収入ジニ係数が過去最高の水準に達したことを伝えています。ジニ係数は、富の配分の偏りを示す指標であり、0.0から1.0までの数値で表されます。日本のジニ係数は0.4414となり、一般的には0.4を超えると収入格差が大きいとされています。記事では、日本の労働者の収入格差が非常に大きいことが指摘されています。また、他の国と比較しても、日本の収入格差は顕著であることが示されています。ウガンダの場合、最上位層が稼ぎ全体の8割近くを占めているという驚きのデータも紹介されています。このような報道は、社会の問題意識を高める一助となるでしょう。

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