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- ウクライナが黒海艦隊の拠点である軍港セバストポリをミサイルと水上ドローンで攻撃した。
- 攻撃によりセバストポリの港湾施設は炎に包まれ、ロシアの巡洋艦と潜水艦が深刻な損傷を受けた。
- ロシア国防省はウクライナの攻撃に対して撃墜と破壊の成功を主張した。
- 攻撃にはウクライナの巡航ミサイルや無人艇が使用され、少なくとも24人が死亡した。
- ウクライナの空軍司令官は攻撃が続くことを示唆し、ウクライナ国防省情報総局も大きな戦果を報告した。
- ロシア政府に任命されたセバストポリ知事は24人の死亡を発表した。
- 攻撃に使用された兵器は明らかにされていないが、可能性として英仏が共同開発した長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」またはウクライナ国産の対艦巡航ミサイル「ネプチューン」の改造型が使用されたと考えられる。
ウクライナ、クリミア奪還に死活的に重要な軍港セバストポリで大きな戦果
<海軍力ではるかに劣るウクライナがミサイルと水上ドローンで黒海艦隊の拠点で要衝の軍港セバストポリを猛攻> 【動画】ロシア巡洋艦「モスクワ」の「最期」 ロシアが支配下に置くウクライナ南部クリミア半島の軍港セバストポリで9月13日未明、大規模な爆発が起き、港湾施設は激しい炎に包まれた。ウクライナの巡航ミサイルと水上ドローン(無人艇)が、この地域におけるロシア軍の中枢を直撃。ロシアが誇る黒海艦隊に、海軍力ではるかに劣るウクライナ軍がまたしても大打撃を与えた。 ロシア国防省は、巡航ミサイル10発と3隻の無人艇の攻撃を受けたが、ミサイル7発を撃墜し、無人艇は3隻とも破壊したと発表した。攻撃の模様をとらえた写真と動画から、セバストポリの乾ドックエリアは炎に包まれ、修理中だったロプーチャ級大型揚陸艦「ミンスク」とキロ級攻撃型潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌ」が深刻な損傷を受けたとみられる。 ウクライナのニュースサイトStrana.uaによると、ウクライナ空軍のミコラ・オレシチュク司令官は戦闘機の作戦参加を示唆し、「輝かしい戦績を上げた空軍パイロットに感謝する。攻撃は続く……」とのメッセージを発表した。 ウクライナの有力紙キーウ・ポストも、ウクライナ国防省情報総局(GUR)筋の匿名のコメントとして、「少なくとも大型揚陸艦1隻と潜水艦1隻を破壊したとの情報がある。もちろん非常に大きな戦果だ」と伝えた。 黒海の制海権を取り戻す ロシア政府に任命されたセバストポリ知事のミハイル・ラズボザエフは、この攻撃で少なくとも24人が死亡したと発表した。 元ウクライナ海軍大佐で、現在は防衛兵站コンサルティング会社Sonataの戦略専門家であるアンドリー・リジェンコは本誌の取材に応じ、「実に見事な攻撃であり、開戦以来(ウクライナ軍がセバストポリに加えた)最大の攻撃だ」と語った。 「ウクライナ軍がこれほど強力な攻撃を行うことは、ロシアにとっては想定外だったはず。ロシア兵は大いに士気をそがれ、戦闘能力の低下もまぬがれ得ない」 攻撃に使われた兵器は明らかにされていないが、空軍司令官がパイロットの手柄をたたえたことから、英仏が共同開発した空中発射の長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」が使用されたと考えられる。ウクライナ軍はこの夏、英政府に供与されたこのミサイルで、クリミアに向かうロシア軍の補給ルートをたたき、反転攻勢の本格化に向けた地ならしをしてきた。 リジェンコもこのミサイルが使用されたと可能性が高いとみているが、ウクライナ国産の対艦巡航ミサイル「ネプチューン」の改造型が使用された可能性もあると指摘する。 ===== 1年半に及ぶウクライナ戦争で、黒海を拠点とするロシア海軍の部隊は何度も屈辱を味わわされてきた。ウクライナはロシアの艦隊に対抗できるような本格的な海軍力を有していない。にもかかわらず黒海の制海権を取り戻すべく、果敢にドローンやミサイル攻撃を仕掛けてきた。 ロシア海軍が受けた屈辱の最たるものは、黒海艦隊の旗艦「モスクワ」の沈没だろう。ロシアが誇るミサイル巡洋艦は昨年4月、ウクライナの対艦ミサイル攻撃であっけなく撃沈された。しかも、その後継の旗艦「アドミラル・マカロフ」(フリゲート艦)も昨年10月、ウクライナ軍の攻撃にさらされ、沈没はまぬがれたものの大きな損傷を受けた。 ウクライナ軍は先月初めにも、セバストポリの東に位置する、黒海艦隊の主要拠点ノボロシスクに停泊中のロプーチャ級揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」を水上ドローンで攻撃。その直後にクリミア半島とロシア本土を結ぶケルチ海峡で、ロシアの石油タンカー「シグ」にも攻撃を加えた。揚陸艦もタンカーも深刻な損傷を受け、タグボートに曳航されてドック入りした。 オランダの公開情報分析サイトOryxのオープンソースデータによれば、開戦以降16隻のロシアの艦船が攻撃を受け、うち10隻は破壊された。破壊された艦船は「モスクワ」、「ミンスク」、タピール級揚陸艦「サラトフ」、セルナ級揚陸艇など。損傷を受けたのは潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌ」、揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、ナティア級掃海艇などだ。 ウクライナの奇襲に手を焼く ウクライナ軍の攻撃が相次いで成功しているため、ロシアの艦船はウクライナ南部沿岸に接近できなくなっている。ロシアは重要な海軍資産をクリミアから比較的安全な黒海の西側の港湾に退避させたと伝えられている。 ウクライナ軍にとってロシアの軍艦は価値あるターゲットだ。ロシア軍は黒海艦隊を使ってウクライナの都市に巡航ミサイルを撃ち込んでいる上、黒海艦隊はウクライナの穀物輸出の主要港に民間船が近づけないよう、海上封鎖も行っているからだ。 長年セバストポリに海軍基地を置いていたロシアは、それを強みに2014年にクリミア半島を占領し、一方的に併合した。そのためセバストポリはロシアのクリミア支配の要衝であるとともに、ウクライナのクリミア奪還にとっても重要な港となっている。 ウクライナの奇襲攻撃と驚異的な士気の高さはこれまでもロシアを苦しめてきた。黒海の北西部のズミイヌイ島(別名スネーク島)は、海面に岩が突き出た小島にすぎないが、ルーマニア沿岸に近い戦略的に重要な島で、ロシア軍はウクライナ侵攻開始の初日にこの島を占領。だがウクライナ軍の果敢な攻撃で、4カ月後に撤退を余儀なくされた。 先月24日には、ウクライナの特殊部隊が小型船でクリミア半島西端の海岸に一時上陸。ウクライナ国旗を掲げた。また9月11日には、2015年からロシアが支配してきた黒海のクリミア半島沖にある石油採掘プラットフォームの奪還にも成功した。 ===== <動画>黒海艦隊に大打撃を与えたウクライナの攻撃
ソース:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/09/post-102642.php
ウクライナ軍がロシアの要衝であるセバストポリを攻撃し、大規模な爆発が起きたというニュースに驚きました。海軍力では劣るウクライナが、ミサイルと水上ドローンを駆使してロシアの黒海艦隊に大打撃を与えたというのは、まさに見事な攻撃です。この攻撃によって、ロシア兵の士気がそがれ、戦闘能力の低下も避けられないでしょう。ウクライナ軍の勇敢さと戦術の巧妙さには、敬意を表します。また、使用された兵器については明確ではありませんが、英仏が共同開発した巡航ミサイル「ストームシャドウ」が使用された可能性が高いとされています。ウクライナ軍はこのミサイルを使って、ロシア軍の補給ルートを攻撃し、反転攻勢に向けた地ならしをしてきたようです。ウクライナの勢いが止まらないことを願っています。