<「撃つマネ」のはずが本当に撃ってしまう「エリート部隊」とは> ロシアのウラジーミル・プーチン大統領直属の治安部隊が、市民に発砲する動画がソーシャルメディアで拡散している。「デモンストレーションの一環のパフォーマンス」だったというが、結果として子ども1人が負傷したと報じられている。 <動画> 突如、子供に発砲を始めたプーチンのエリート兵士 ロシアの治安当局に詳しいテレグラムチャンネル「VChK-OGPU」は8月20日、モスクワ州のエレクトロスタリという街で起きたこの事件の動画を投稿した。映っているのは、プーチンの「私兵」とも言われるエリート部隊、ロシア国家親衛隊のように見える。同隊は、ロシア連邦軍とは別の指揮系統を持ち、大統領直属という位置付けだ。 VChK-OGPUチャンネルはこう説明している。「デモンストレーションの最中に、ロシア国家親衛隊の兵士が意図的に(中略)子ども連れの見物客を銃で撃った(幸い、空砲だった)。幼い子どもたちが頭を抱えて叫び、地面に倒れた。けが人も出た。跳ねて飛んだ薬きょうで大けがした人もいた」 ウクライナのテレビチャンネル「24カナル」は、複数のテレグラムチャンネルがこの映像を投稿したと報じている。24カナルによれば、国家親衛隊は「どういうわけか」突然、自らの武器を子どもを含む観客に向けようと思い立ったようだという。 報道によれば、34歳の女性が頬と顎を負傷したほか、子ども1人が頭部のけがで病院に運ばれた。現在、ロシア連邦捜査委員会が捜査を行なっている。 プーチンを守るための重武装 イギリス国防省は8月8日付のウクライナ戦争最新情報報告「Update on Ukraine」で、プーチンが国家親衛隊を「重火器」で武装させていると伝えた。これは、民間軍事会社ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジンが、6月24日に「反乱」を起こしたことを受けた措置だ。ワグネルは一時、モスクワに迫る勢いだった。プーチンは身の危険を感じただろう。 8月4日の布告の一環として、国家親衛隊にも大砲や攻撃ヘリプターを含む軍用兵器が配備されるとみられる、とイギリス国防省は伝えている。同省はロシア国家親衛隊について、「最大で20万人にのぼる前線の人員を備えた、拡大を続ける組織」と表現した。 重火器を配備することで、ロシア政府は「政権の安定を確実なものにするための主要組織として、国家親衛隊の強化に力を入れている」可能性があると、最新情報報告では記している。 ===== ロシアが国家親衛隊を創設したのは2016年。国家親衛隊の兵士は、2022年2月に始まった本格的なウクライナ侵攻の開始当初から多数がウクライナでの戦いに投入されている。また多くの兵士が、戦うことを拒否して解雇されている プーチンは、「国家親衛隊の日」である3月27日に行なった演説で、同隊の主要任務について、「テロや過激主義、組織犯罪への対策、主要な戦略的施設の警備、大規模イベント時の法と秩序の維持、武器取引の監視」だと述べた。 (翻訳:ガリレオ) ===== <動画>突如、子供に発砲を始めたプーチンのエリート兵士 Russia: An "Elite" RosGvardia unit suddenly went into mock executions and shot up the spectators from point-blank range during their demonstration in the Moscow suburb and injured multiple children shooting blank cartridges. At least one child injured by a projectile from a gun. pic.twitter.com/CHRsBuEdLc— Igor Sushko (@igorsushko) August 21, 2023
エリート部隊であるロシア国家親衛隊の兵士がデモンストレーションの最中に子ども連れの見物客を銃で撃ったという報道があり、幸いにも空砲だったものの、子ども1人が負傷したとのことです。この事件については、ロシア連邦捜査委員会が捜査を行なっているとのことです。 また、イギリス国防省の報告によれば、プーチン大統領は国家親衛隊を重火器で武装させる措置を取ったとされています。これは、民間軍事会社ワグネルが反乱を起こしたことを受けたものであり、政権の安定を確保するために国家親衛隊の強化が行われている可能性があるとされています。 事件の詳細や背景については詳しく触れられていませんが、事件の重要性や影響について考えさせられる内容です。