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- ウクライナの外相は、ウクライナの反転攻勢は成功しており、改善すべき点はないと主張している。
- ウクライナ政府は反転攻勢の進みが遅いとの批判を受けてきたが、ロシア軍の陣地が固められており、地雷も埋まっているため進行が難しい。
- ウクライナ大統領は、反転攻勢のスピードが期待よりも遅いと認めつつも、西側の支援が遅れたために開始が遅れたと述べている。
- ウクライナの進軍は高い死傷率にもかかわらず、領土の奪還はごくわずかであり、アメリカの情報当局は年内にメリトポリの奪還は難しいと予測している。
ウクライナ政府、「反転攻勢の遅れ」に反論
<「勝利はそう簡単には手に入らない」「改善すべき点はない」とクレバ外相> ロシアに対するウクライナの反転攻勢が始まって2カ月半。ウクライナの外相は反攻の進みが遅いとの批判に対し、「われわれが改善すべき点は何もない」と反論している。 8月19日発行のドイツ紙ビルトによれば、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は「われわれが改善すべき点は何もない。(反転攻勢は)成功し、楽観的な見方をしている人々の期待に応えるだろう。そして懐疑派は面目を失うことになるだろう」と述べた。 またクレバは「ウクライナを甘く見てもらっては困る。焦ってはならない。勝利にはそれなりの苦労が伴うものだ」とも語った。 ウクライナは6月上旬、同国東部と南部でロシア軍に対する反転攻勢を一斉に開始した。領土の奪還は徐々に進んでいるものの、そのペースはゆっくりだ。16日にウクライナのハナ・マリャル国防次官は、ドネツク州のウロジャイネという集落の奪還を発表したが、占領地の奪還はしばらくぶりのことだ。 ウクライナ政府は反転攻勢が遅々として進んでいないとの批判をこれまでやり過ごしてきた。専門家によれば、ロシア軍の陣地の周囲は塹壕でがっちり固められているうえ、無数の地雷も埋まっている。 西側の支援が遅れたせい 6月半ばにウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、反転攻勢のスピードについて「期待よりは遅い」ことを認める一方で、「人々の生命」がかかっていると述べた。 「ハリウッド映画と勘違いして、すぐに結果を期待する人もいるが、そういうものではない」とゼレンスキーはBBCに対して述べた。 7月に入り、ゼレンスキーはCNNに対し、自分としては6月よりも前に反転攻勢を開始したいと思っていたが、西側の同盟諸国からの軍事支援を待たなければならなかったと語った。 「私は反転攻勢をもっと早くやりたかった。もし開始が遅れれば、より広い範囲でわが国の領土に地雷が敷設されることになるのは自明だったからだ」とゼレンスキーはCNNに述べた。「敵に時間を与えれば、より多くの地雷を敷設して守りを固められてしまう」 ウクライナは進軍を続けると考える人も多い一方で、高い死傷率にもかかわらず取り戻せた領土はごくわずか、という状況が今後も許されるのか疑問視する声もある。 ワシントン・ポストが19日に伝えたところでは、アメリカの情報当局は反転攻勢について、年内に南部の都市メリトポリの奪還まで進むことはないだろうと見ているという。メリトポリの奪還は、2014年にロシアに一方的に併合されたクリミアへの進軍のカギとなる。 ===== 一方で、米軍の制服組トップであるマーク・ミリー米統合参謀本部議長は、ロシア軍は士気の低さや死傷者数の急増に悩んでおり、ウクライナの反転攻勢は成功するとの考えを繰り返し表明している。 「2カ月ほど前にも私は、この攻勢は長い時間がかかり、多くの血が流れ、進みは遅いだろうと述べた」とミリーはワシントン・ポストに語った。「それがまさに現実のものとなっている。長く、血みどろで進みは遅い、そして非常に困難な戦いだ」
ソース:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/08/post-102461.php
ウクライナがロシアに対する反転攻勢を展開しているものの、進みが遅いとの批判がある中、クレバ氏は自信を持って「われわれが改善すべき点は何もない」と反論しています。彼は勝利には苦労が伴うものであり、焦る必要はないと述べています。 ウクライナ政府はこれまで批判をやり過ごしてきましたが、専門家によればロシア軍の陣地は堅固であり、地雷も多く埋まっているため、進軍のスピードが遅いのは当然のことと言えるでしょう。 また、ウクライナ大統領のゼレンスキー氏も反転攻勢の遅さについて言及しており、西側の支援が遅れたことが原因だと述べています。彼は早急な結果を期待する人々に対して、戦争はハリウッド映画ではなく、時間と努力が必要だと語っています。 この記事を読むと、ウクライナ政府は自信を持って反転攻勢を進めているものの、困難な状況に直面していることが分かります。彼らの努力と忍耐力に敬意を表しつつ、今後の展開に期待したいと思います。